不動産の欠陥があった場合
瑕疵担保責任
マンションや建物に通常の注意では気がつかない欠陥があった場合、これを隠れたる瑕疵といい、売主は「瑕疵担保責任」と呼ばれる責任を負います。これは売主に過失があったかどうかを問わない無過失責任です。
●瑕疵担保責任が認められる場合
・隠れた瑕疵であること
隠れた瑕疵とは、買主が取引のうえで通常に要求される程度の注意をもってしても見つけることのできない欠陥をいいます。そのため、買主が瑕疵のあることを知っていた場合や、知らなかった場合でもそれが不注意によるものであるときは、売主に対してこの責任を問うことはできません。
・契約締結前から存在した瑕疵であること
契約締結後に生じた瑕疵の場合、それが売主の責任で生じたものならば、売主は債務不履行責任を問われますが、瑕疵担保責任は問われません。また、売主に責任がないときも瑕疵担保責任の問題とはならず、危険負担の問題になるというだけです。
●瑕疵担保責任の内容
・契約の解除
瑕疵があることで、買主が契約をした目的を達成できない場合は、契約を解除できます。
・損害賠償請求
契約解除までには至らなくても、瑕疵によって生じた損害の賠償請求はできます。ですが、損害賠償が認められる損害の範囲については争点となるところですが、少なくとも修繕に要した費用は請求できます。
ちなみに、契約解除及び損害賠償請求の権利を行使できる期間は、瑕疵を発見してから1年以内です。
・修補請求権の有無
買主は、売主に対して直接瑕疵の修補を請求できないとされていますが、この修補請求権を認める有力な見解も出てきています。ただし、今のところは、修補は買主の責任で行い、その費用を売主に請求することになります。