登記
登記という行為
不動産を取得した場合、登記をすることにより初めて所有者としての権利が生じます。例えば、売主と買主の間で売買契約が成立した後で、売主が他の第三者に同じ土地を売却し、登記が行われたとき、最初の買主は後の買主である第三者に土地の所有権を主張することができません。
また、売主がその土地に第三者のために抵当権を設定したり、あるいは第三者が差し押さえの措置などをとった時も、第三者の権利が優先されます。つまり、これまでの経緯はともかく、先に登記をしたほうに権利が認められることになるのです。
仮登記・中間省略登記
■登記をしたほうが優先
他人が契約を結び、既に代金を支払ったことを知っていながら、同じ不動産を買い、登記をした場合も、先に登記をした人が優先されます。登記を行ったことが善意の結果であるか、悪意の結果であるかは原則として問われません。
ですが、「詐欺または脅迫により登記の申請を妨げたる第三者」や代理人や司法書士などの「他人のため登記を申請する義務ある者」に対しては、登記を行なってなくても対抗できます。
■仮登記の効力
契約してから代金を支払うまでの期間が数ヶ月に及ぶ場合、代金の一部を支払って所有権移転の仮登記をしておいたほうがいいでしょう。
仮登記には順位保全の効力があるので、もし本登記前に物件が第三者に譲渡され、登記されても仮登記を本登記にすることで、第三者に優先することになります。
■中間省略登記
A→B→Cの順番で所有権が移転した場合、中間者であるBの移転登記を省略することは判例でも認められています。
しかし、BがCから代金の支払いを受けていないときは、Bの同意が必要になり、CがAに中間登記の省略を請求するときは、AとBの両方の同意が必要になります。