売買契約の経費負担
経費の負担者
売買契約の開始から終了までの間には、様々な経費がかかります。当事者間で特約があれば、それに従うことになります。特約が無い場合は、契約と法律の解釈によって決める必要があります。
●売買価格の鑑定
売主あるいは買主が事前に売買価格を知るために、不動産鑑定士に鑑定を依頼した場合、鑑定料は当然、依頼した当事者の負担となります。ですが、当事者間で価格の折り合いがつかず、双方の協議により不動産鑑定士を依頼すると、双方の折半になります。
●実測費用
登記簿に記載されている面積と実際の面積が違う場合があります。これを原因としたトラブルを回避するために、売主が売買契約前に売却予定物件の面積の実測した場合、それは売主側の売買に関する準備行為なので、売主がその費用を負担したほうがいいでしょう。
ですが、実測面積を基準にして代金を定めるとい契約の場合は、実測をすることが契約履行のための必要な行為になるので、当事者が折半で負担することになります。
●分筆・合筆の費用
1個の土地を2個に分割したり、または2個の土地を1個にまとめて売却する場合は、分筆図面、合筆図面を作って、登記手続きを行う必要があります。これは売却の前提となる売主側の義務なので、売主が費用を負担します。
●登記の抹消費用
売買物件に抵当権などの担保物権、または賃借権や地上権などの利用権が登記されている場合、これらの登記を抹消することは売主の義務なので、費用は売主の負担となります。
●借地人・借家人の立退料
居抜きで売買する場合を除いて、借地人、借家人を立ち退かせるのは売主の義務です。そのため、売主がその費用を負担することになります。
●所有権移転登記費用
登録免許税と司法書士に対する報酬です。一般的に、登記をすることで利益を受けるのは買主なので、買主の負担とする契約が少なからずあります。
ですが、登記の移転は売主の義務なので売主の負担とする場合、また、契約締結に必要な費用と捉えて、双方で折半するケースもあります。